子猫たちは私には懐いていますよ。
そりゃ、私がおっぱいをあげているようなものですから。
毎日毎日、シリンジに離乳食を詰めては子猫の口の中へと捻り出しています。
仮に私の乳首から離乳食が出ていたとしたら、吸われすぎて私の乳首はだるんだるんの傷だらけです。
何人もの子猫を育ててきたので１メートルくらいに伸び切っていると思います。
子猫たちが私を慕ってくれるのは、それくらいの不断の努力の賜物なんです。
それでも私の元を離れたら、私のことなんか忘れてしまいます。
赤ちゃんですし。
私に残るのは伸び切った傷だらけの乳首だけです。
比喩です。
そこから、どのような関係を築くのか？
ご家族様次第です。
一瞬を切り取ったYouTube動画等を見て過度に期待しないであげてください。
猫は自由です。
気まぐれなんです。
だから、猫なんです。
凶暴な子でないのなら、その子の個性を認めてあげてください。
人が猫に合わせてあげるんです。
猫に求めすぎないでください。
従者や恋人が欲しいのなら別の生き物にしてください。
私は性格を重視したブリーディングを行っていますので、中にはそういう気質の子もいます。
比較的飼いやすい子が多いと思います。
でも、そういう気質を当然にあるものだと思って最初から見ないでください。
猫ですから。
この記事のタイトルについてですが。
立派そうな人間、そのごく一部分、振る舞いの断片を外から見れば、聖人君子のように見えるかもしれません。
でも所詮は人間です。
偉人はもれなく利害関係者によって神格化されていますし。
生きている偉人っぽい人は権威になるために自らを盛りまくります。
YouTuberはお金のために1mmしかないものを1メートルに伸ばすような勢いで動画を作ります。
そして、見ている側は勘違いしてしまいます。
断片をつなぎ、妄想で補完して理想の檻を作ってしまいます。
そういう「理想」っぽい姿を。
自分もできるだろうと思うと、自分を追い詰めることになります。
他人に押し付けると、他人を追い詰めてしまいます。
そして、押し付けた当人はがっかりしてしまいます。
猫も同じです。
擬人化しないでください。
猫に決して美談を求めないでください。
猫を寛容な気持ちで見守ってあげてください。
みんないい子たちです。
寄ってきたら、「いい子いい子」と言ってたくさん撫でてあげてください。
側にいてくれるだけで、一緒に暮らしてくれるだけで尊いのです。
私のような１メートルの乳首を持つ必要はありません。
まずは簡単なことから。
自分の願望は置いておいて、受け入れることからやってみてください。
落ち着いてゆっくりと。
